後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

OSBと愉快な6人の金管奏者

こんにちは、トサカです。

行ってきました。大津シンフォニックバンドの定期演奏会

 

第1部が終わった時点で、あまりのうまさに気絶してました…。うますぎる…。

一曲目がバーンズの交響的序曲だったんですけど、

これまで演奏会で聴いてきた中で抜群にうまかったです。

交響的序曲 -Symphonic Overture- - YouTube

 

この曲はかなり難易度が高い割に、

その名前からも分かる通り序曲なので1局目に演奏されることが多いため、

メインの曲と比べると練習に時間を割きづらいという難点があります。

そのため、この曲を聴く時は結構ヒヤヒヤしながら聴くことが多かった気がします。

 

「いくら大津といえど、あの曲は仕上げきれるんだろうか…」

なーんて生意気なこと考えながら席についていたのですが、

演奏顔が始まって3分も経てば、そんなことを忘れて完全に演奏にのめり込んでいる自分がいました。

 

金管ファンファーレの圧!!!

 

静と動、強と弱をしっかり踏まえたサウンド!!!!

 

複雑なパッセージでも決して乱れぬアンサンブル!!!!!

 

わっひょーーーーーーーーーー大興奮じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぃ!!!!!!

 

一曲目が終わった時点で、自分の脳内ではお祭り状態でした。

結局そのテンションのまま最後まで聴いちゃったので、かなり疲れました…。

 

そんな中、今日は1番の名演だったと思う曲

 

アンティフォナーレ

 

について書いていきたいと思います。

この曲は、バンドの特性、ホールの特性が曲の特徴と絡み合ってできた名演だと考えられます。

この三つの特徴をそれぞれ上げていきましょう。

 

大津シンフォニックバンドについて

 

まず、大津シンフォニックバンド(通称OSB)について書いていきます。

初めてこのバンドの名前を聞いたのは何時ぞやの関西大会。

初めて聴いた時、

「ここのバンドはすごく真面目な音がする」

という印象を受けました。

その印象は、今日の演奏会でさらに強化されました。

非常に楽譜に真摯に向き合い、「楽譜通りの」音を作っているからだと自分は考えます。

 

楽譜通りの演奏って実は難しく、自分のくせや技術の及ばなさ、同パート内での解釈の違いなどによりなかなか達成されないものです。

でも、このバンドは違った。

「楽譜通り」の強弱、メリハリをつけて演奏できるからこそ、余計な小細工を入れずとも心を揺さぶる演奏ができるのでしょう。

(個人的にはこういう「真面目でカタめな」サウンドしている楽団に長生淳とかやってほしい…)

 

では、次にホールの特徴について。

 

びわ湖ホール

 

生まれて初めてびわ湖ホールに行きました。

(というか、滋賀に行ったのも生まれて初めてかもしれない)

JR大津駅で降りたので、そこからしばらく歩いてホールへ向かいました。

 

ホール自体の広さはそこまでデカイ!というわけではないです。

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これくらいの広さが多分吹奏楽ではちょうどいいんじゃないかな〜。

座席は1階が755席 2階が435席 3階が372席 4階が282席 車椅子席4席というふうに分かれています。

また、一枚目の写真のように、2階、3階、4階はクワガタ状に座席が伸びています。

KOBELCOホールのようにひたすら高いわけではないのですが、しっかり階層に分かれている。

 

そんなホールを最大級に活かせたのが、「アンティフォナーレ」だと思います。

では、最後にアンティフォナーレ、およびその作曲家のネリベルについて紹介しましょう。

 

アンティフォナーレ

antiphonal

かわるがわる歌う、交互に演奏する

引用 http://www.geocities.jp/shonan_strings/dictionary.html

 

まず、この曲を作ったヴァーツラフ・ネリベルの作品の特徴について紹介しましょう。

 

簡単に言うと「簡単にいえない音楽を作る人」です。

 

  • 特徴的な不協和音をふんだんに曲にちりばめる
  • 打楽器を効果的に使う
  • 盛り上がりで木管主体のユニゾンを仕込む
  • 音を積み上げてクライマックスを作り出す

などの特徴があります。

 

その独特な音の響きは「ネリベルサウンド」と呼ばれています(要出典)。

好き嫌いは激しいですが、魅了される人は結構深くまではまってしまう作曲家の方です。

 

このアンティフォナーレは、その名の通り「主題」を楽器が代わる代わる演奏することで成り立つ曲です。

その中でも、この曲で特に印象的なのは6人のバンダ隊です。

トランペットが3人、トロンボーンが3人バンダとして別のところへ派遣され、バンドとは全く別の動きをします。

バンダのトランペット、トロンボーン、さらにはバンドの中でも様々な動きが重なり合い、曲は怒涛のクライマックスへと向かいます。

実際に聴いてみたほうが早いので、ぜひ聴いてみてください。

WSR-12-001 アンティフォナーレ(吹奏楽復刻シリーズ) - YouTube

 

普段はそんなに不協和音ばっかりの曲を聴かない人でも、意外とハマることが多いです。

 

ホールの中には、魔物が棲むの

 

実は、今日まで自分はアンティフォナーレのことを好きになれませんでした。

単純に難しいからです。

 

ネリベルサウンドは結構好きだけど、この曲は…うーんよくわからん。という気持ちが強かったです。

しかし、今日の演奏でこの曲へのイメージが完全に化けました。

 

大興奮のまま迎えた第1部最後の曲。それがアンティフォナーレでした。

赤で囲んだところにトランペットが、青で囲んだところにトロンボーンがそれぞれ配置していました。

そこまでこの曲を楽しみにしていたわけではなかったので、「あぁ、あそこにバンダ来るんだな〜」くらいにしか思っていませんでした。

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広すぎず、適切な高さを持つことで響きを残すホール

 

楽譜を忠実に再現し、曲の魅力をそのまま届けられるモンスターバンド

 

これらが合わさった時、化学反応が起こりました。

 

 

正確無比なアンサンブル!!!!

 

余韻として残る奇妙なネリベルサウンド!!!!!!!

 

三方向から聴こえる上質な音の洪水!!!!!!!!!!!!

 

堪らん!!!!!!!!!!  堪らなすぎる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

あらゆる「聴いたことのある主題」がクライマックスに向けて積み上がります。

積み上がるに従って、興奮の度合いは折り重なり、最後には爆発しました。

ひたすらに疲れましたが、こんな感覚は久しぶりです。非常にいい体験でした。

 

演奏会に行こう

 

何はともあれ、めちゃくちゃ満足度が高かったです。

うまいところの演奏聴くと参考にできることも多いですしね。

今日の演奏会についてまだまだ語りたいこと(酒井先生の新曲で出た合わせシンバル三重奏とか、客電の話とか)はあるのですが、今日はこの辺にしときます。

 

今回一番言いたかったことは、「ホールで聴くと印象が変わる曲がある」ということです。

ぜひこれを読んでくださった方は、あまり詳しくない曲、苦手意識のある曲がある演奏会にも積極的に行ってみましょう。