私と湘南乃風とリスト
こんにちは、トサカです。
先日行ってきた演奏会で、初めて聴いた曲がすごくよかったのでそれを紹介します。
リストの「ピアノ協奏曲第1番」です。
最初に聴いたイメージのまま書いているため、本来の曲調や構成とはずれてるかもしれません。まぁ受け取ったままに書きます。
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この曲を実際に生で聴いて、管弦楽が他の音楽形態と比較して「統一感がない」という特色があることに気づきました。
これにピアノやハープなどが合わさります。
もっと複雑な形態もあるとは思いますが、おそらく管弦楽の複雑さ、つまり構成要素の多さはメジャーな音楽形態の中でも随一のものだと考えられます。
管楽器と弦楽器では音を鳴らす構造が全く違うため、同じメロディーを演奏しても微妙なズレが発生してしまいます。
弦楽器は弦を擦って音を鳴らします。ずっと弓を弦につけ続けなければいけないため、必然的にその音には連続性が生まれます。つまり意図して音の断絶を行う必要があります。
一方、管楽器は息を吹き込んで音を鳴らします。息がずっと続くなんてことはありえないため、音は断絶を前提としています。これは連続を前提とする弦楽器との大きな違いです。
この「楽器の違い」で発生してしまう差異をうまく楽曲に取り入れたのが、この「ピアノ協奏曲第1番」だと思います。
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この曲、まずはオーケストラ全体で主題を提示します。
その後、主役の一人であるピアノが主題を基にした「ソロ」を歌い上げます。
これが大体曲の終わりまで続く、というのがこの曲の概要です。
「ラ・カンパネラ」などのピアノ名曲を残し、全欧でピアノコンサートを行なったほどの実力者であるリスト。そのピアノさばきはこの曲でも遺憾無く発揮されており、このピアノが奏でるメロディは印象に強く焼き付けられます。
では、その後ろでオーケストラは何をしているのか。
「主題の応酬」です。
あらゆる楽器が主題を奏で、それに他の楽器が答える。
同じフォーマット(主題)を演奏しているはずなのに、楽器ごとの特色の違いがあることでそれぞれに違った表情を見せてくれます。
この「同じようなフォーマットを、それぞれの奏者、楽器の個性によって印象を変える」という形を見て、自分は管楽器、弦楽器の演奏をラップバトルのようだと思いました。
全く同じBGM(フォーマット)の中で、奏者の個性がぶつかり合って音楽としての価値が高まっていく。これはさっきまで聴いていた協奏曲と、ラップバトルが全く同じ構造だと感じました。
メインのピアノが歌ってる後ろで、楽器同士の個性の殴り合いが起きてるのを、たしかにこの目で見たのです。
そして、この音楽に既視感を覚えました。
メインで歌う人がいて、その後ろでラップバトルをやってる音楽集団。
そう、湘南乃風です。
リストの曲構造を湘南乃風はリスペクトしていたのでしょうか。
そんなことはないんでしょうね。
ではでは。