後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

「好き」のハードルをぶっ壊した曲

こんにちは、トサカです。

 

最近自分が大人になったと感じることの一つに、「好きにはいろんな種類がある」と考えられるようになったことが挙げられます。今回は音楽の話がしたいので、そこに絞って話を進めましょう。

これまでの自分は「この曲が好き!」と宣言するためには、その曲の全てを好きでいなければならないと無意識に考えていた節がありました。

出会った瞬間から今に至るまでその曲を名曲だと感じ、その考えを変えないこと。

曲の冒頭から最後の一音が鳴り切るまでぜーんぶを好きでいること。

これらを「好き」の基準にし、これを乗り越えなかった曲は「まぁまぁな」曲だと考えていました。

でも、大学時代に様々な人と出会い、様々な人の意見を聞くことで、「いろいろと荒はあるし、基準もあいまいでしかないけど、好きなものは好きなんだ」という気持ちを尊重してもいいんだと気づくことができました。

 

これは個人的に結構大きなパラダイムシフトでした。

「好き」と表明することに必要なハードルが下がることで、「好きなもの」がこれまでよりも増えました。

そのおかげでいろいろなものに興味を持つことができ、有意義に生活を送ることができるようになったと思います。

 

今日の本題は「今の基準では間違いなく好きな曲」についてです。

「好き」にかかるハードルが高かった高校生時代。

そのハードルを正面からぶち壊しに来た曲があります。

 

ストレイテナーVANDALISMという曲です。

 

ストレイテナーがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!

 

高校生時代、宮崎に住んでいました。

住みよい所なのですが、当時バンドばかり聴いていた自分にとって「宮崎のライブ開催回数の少なさ」には不満がありました。

よっぽどのことでもない限り、バンドマンたちは鹿児島、熊本など「行きやすい場所」へ行ってしまう…。

九州新幹線が通っていないからか…。ちくしょう…。

どうせ高校時代はろくにお金もなかったですし、そんなに回数は行けなかったと思います。でも、いろんなバンドがライブしに来てくれる別の県を羨ましいと思う気持ちはありました。

 

そんな中、宮崎に大好きなバンドが来てくれることを知りました。

ストレイテナーです。

当時、彼らの「ベストアルバム+メジャーデビュー10周年記念武道館ライブDVD」を買った自分にとって、これ以上ない朗報でした。

一か月くらい常に興奮した状態で、その日が来るのを待っていました。

そして、とうとう待ち望んだその日。6月6日。ユーフォーが落っこちる日ですね。

ちょっと暗いライブハウスに足を運び、自分はライブを堪能しました。

 

 

 

ちょっと話を過去に戻します。

ストレイテナーのベストアルバム+DVDが発売されたのが5月1日。

それから約一か月間。自分は毎日その武道館ライブを観ていました。

親が起きていない朝早くにDVDをつけ、誰も起きない程度の大音量でリビングを武道館アリーナだと思って音楽を楽しんでいました。

んで、そのDVDの中のMCで、今回話そうとしている曲であるVANDALISMについて言及されていました。

 

「めちゃくちゃ自信作で、この曲で音楽業界に風穴開けてやろうと思っていたのに全然人気がないじゃん!お前らほんと覚えとけよ!」

 

自虐気味に紹介されたのを聞いて、不思議と納得してしまうものがありました。

 

www.youtube.com

 

これが、その曲です。

ダンスナンバーのような打ち込みとバンドサウンドの融合が非常に鮮やかです。

最初に聴いた時は「・・・?」というのが素直な感想でした。

新しいことをやりたいのはわかる。かっこいいとも思う。でも何か違う…。

大ファンである自分にとっても、いまいちどういう姿勢で受け止めればいいかわからない。そんな曲だという印象を受けました。

だから、MCでメンバーがそういう発言をした時に、「力入れてこの曲を作ったんだろうな」というバンド側の気持ちも「いまいちどう受け止めたらいいかわかんないよな」という聴衆側の気持ちもわかってしまい、かわいそうな曲だな。と思っていました。

 

そんなイメージは、ライブでぶっ壊れました。

 

意図的に自我を抑えたドラムのイントロが始まり、会場の緊張度がぐんと上がりました。そしてベースのメロディが流れ始めた瞬間、真っ暗だったライブハウスが紫色の明かりに照らされました。

そのとき、会場にいた人たちが無意識に体を揺らしだしたのをはっきりと覚えています。

それまでは明るくも激しい曲、もしくは落ち着いた曲のどちらかを演奏していたので、艶やかなベースラインを聴いた途端一気に聴衆がトリップしてしまったような、そんな感覚に陥りました。

ゆらゆらと漂っていた観客に合図を送るようにギターが鳴り響き、サビを迎えました。堰を切ったように会場が沸き上がりました。もちろん自分もその一員でした。

この曲を象徴するのは静と動の入れ替わり。音楽の性質ががらりと変わる瞬間を体験してしまい、一気にこの曲に惚れてしまいました。今思い返しても、あの日はこの曲がベストアクトだったと思います。

 

気付けば、その当時「例外的」ではありますが、この曲は「好き」に関するハードルを壊していたんだと思います。

そのライブが終わってからも頻繁にVANDALISMを聴くようになったし、武道館ライブのDVDを見るときはそのMC場面を飛ばすようになりました。

最初は「好きではなかった」んだから、あまりおおっぴらに好きとはいえなかったんですが、考えが変わった最近では胸を張って好きだと答えることができます。

 

ストレイテナー なんばハッチ公演に行くことが決まり、いてもたってもいられずに書いてしまいました。

次の大阪公演でもVANDALISMやってほしいな~

 

ではでは

 

 

ちなみに

 

めっちゃどうでもいい話なんですけど、このDVDで自分が一瞬だけ映ります。

 

ETERNAL ROCK BAND -21st CENTURY ROCK BAND TOUR 2013- [DVD]

ETERNAL ROCK BAND -21st CENTURY ROCK BAND TOUR 2013- [DVD]

 

 宮崎SR-BOXのところでほんの一瞬だけ。

もし機会があれば見つけてください。

自分はこれを発見した時嬉しすぎて携帯の待ち受けにしました。今もしています。