後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

ぼくを揺らす音

こんにちは、トサカです。

昨日行ったストレイテナーのライブ、心の底から楽しむことができました。

ライブの感想を書くために、まずは先週の話からしていきます。

 

ちょうど先週の月曜日のことです。サンテレビ仮面ライダーエグゼイドを見終わり、のんきに髭剃りをしながら身支度していた時、突然かたかたと地面を揺らす音が鳴りだしました。

何がおきたかよく分からぬままおろおろしていると、そのままドスンと大きな音が。

震度5強でした。

物がそんなにない貧ぼ…ミニマルな生活をしていたので、物が落ちたり壊れたりすることはありませんでしたが、町は大変なことになっていました。

最寄駅に人が溢れ、スーパーから水とカップ麺がなくなり、TVもラジオもネットも地震報道一色。非日常が自身に襲いかかっていることにだんだんと気づき始めました。

 

それから一週間。幸いなことに今日まで大きな地震は起きていません。しかし、「次の揺れが来るかも」という可能性が、ぼくの生活に影を落とすようになりました。

影は振り払えないので、なるべく対策を取ろうと考えました。非常用のバッグをすぐ手に取れるような場所に置いておき、常に靴下を履いて寝る生活をしています。

 

普段の日々と比べると、この一週間は精神面での消耗が激しかったです。高い棚があるところを意識して避けて通り、通勤中に「今揺れたらどこに逃げるか」シミュレートし、コンロを使わなくてもいい食品、及び飲料水を買いだめていました。

普段しない注意が、生活を圧迫していると強く感じていました。

 

そんな日々を過ごしていると、ぼくは「何かを楽しむ力」を根こそぎ奪われることをこの一週間で知りました。

何をしていても影が付きまとい、心から楽しむ気分になれない。ブログを書いていてもどこか文章が上滑りしてしまい、おもしろくないものが出来上がってしまうとここ一週間は特に思ってしまっていました。結局「書きたい」と感じるほど面白いものを見つける力が弱まってしまっていたからだと、今ならわかります。

 

可能性からようやく解放されるかと思っていた土曜日。ぼくはいきなりの揺れに辟易してしまいました。薄くなっていた影がまた濃くなっていく。

こんな状態でライブなんて楽しめるのか…という不安がありました。

5年ぶりにストレイテナーに会えることはもちろんうれしいのですが、そのうれしさと同じくらい「あまり安全でない大阪に来てほしくない」という気持ちもありました。

(ちなみに5年前のライブを振り返ったのがこの記事です。)

 

avoirgoto.hatenablog.com

 

複雑な気持ちがあったことに気づかないふりをしながら、なんばハッチに向かいました。が、そんな心配は三曲目が終わった時点で完全に消えました。

 

詳しい話は別の記事で話しますが、この「Future Dance Tour」という題名通り、たった三曲でなんばハッチをダンスフロアに変えてしまいました。ダンスミュージックの文法に則った曲によって、ぼくを含む観客は見事ノリに乗ってゆらゆらと身体を揺らしてしまいました。

 

久しぶりに、本当に久しぶりに心の底から何かを楽しむことができている。

そう感じました。

 

途中のMCで「心配して損したわ!みんな元気そうでよかった」と言っていたのですが、あんなダンスフロア作られたら嫌でも踊ってしまうやろ~なんて思ってしまいました。

多分あの中には自分よりも怖い思いをした方もいらっしゃると思います。でも、そんな人たちをまとめて踊らせてしまう。そんな素敵な音楽が、確かにあの場所には存在していました。

「ぼくがいま一番欲しかったもの」を、このライブは最高の形でぼくにもたらしてくれました。

 

 

こんな中大阪に来てくれて、本当にありがとうございました。

ぼくの方が元気をもらえました。

ライブのおかげで、今日からも楽しくやっていける気がします。

 

ではでは