後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

ブランニューなレキシ

こんにちは、トサカです。

いきなり持論なのですが、「音楽にはジャンルごとに文法がある」と考えています。

ある程度楽器が与えられる役割が決まっています。疾走感を出したいときはスネアが16分音符を刻むし、サビではみんなコードを弾き、歌を際立たせるようにします。EDMではサビに行くにつれてだんだんビートが細かくなるし、ホルンはいつだって裏打ちを正確に刻んでいます。

 

この辺の「文法」はそのジャンルを深く学ぶことでだんだんわかっていくんですよね。いっぱい音楽を聴いたり、その音楽を演奏したりしていくことで、だんだん「あ、次こんな展開が来そうだな」という感覚がつかめてくるようになります。

この文法にある程度則りつつも、「自分らしさ」を出すために少し外すというのが、一般的な音楽の作り方です。

今回は「文法の外し方」がすさまじいアーティスト、レキシについて話そうと思います。

 

まずは一曲。

こちらはチャットモンチーにコーラスとしてはいってもらった曲、SHIKIBUです。

www.youtube.com

サムネの破壊力は置いておくとして、めちゃくちゃ音楽が綺麗です。

本当によくまとまっている。ちょっと寂しげで、でもパァッと明るいポップな曲調です。日本語を知らない外国人に聴かせたら、こんなにコミカルな格好している人が歌っているとは到底想像できないでしょう。

 

曲を聴いていただけるとわかるように、この人が書く歌詞はすべて「日本の歴史」がモチーフとなっています。

この曲で描かれる紫式部のほかにも、鎌倉幕府は実は1190年に流布されたのではないかという学説を紹介する「歴史ブランニューデイ」、武士の生活とその恋愛を描く「きらきら武士」などが挙げられます。

 

この人、サウンドではどこまでも文法に忠実なんですよね。おしゃれでかっこよくて、どこか寂しげな、でも聴いていて幸せになれるような魅力的なサウンドをしています。その洒落たサウンドに「日本の歴史」をまぶし込むことで、唯一無二の存在感を放っています。

 

先程挙げた動画の中で、タブラ奏者であるU-zhaanとコラボしているシーンがあったんですけど、初めてそこを見たときすごく驚いたんですよね。

あそこでやっているのはコナッコルという南インドのリズム言葉を意識したものだと思われます。

www.youtube.com

この動画のように、口でリズムやキメを相手と共有し、その言葉を介してセッションするというものです。

これをちょっとふざけた声で、「武田負けた織田に負けた」と歌いながらセッションするのがすごく好きです。この動画のここだけをずっと聴いてしまう。それほどに心地いいポイントです。

文法に則り、元々のジャンルに敬意を示しながら、ジャポニスムをふりかける。そんなレキシの音楽の作り方が好きです。

 

ちなみに、現在やっている「ゲゲゲの鬼太郎 6th Season」のエンディングテーマも歌っています。ぼくは宗教上(ニチアサ)の理由により見れないのですが、びっくりするようなところで幾多郎に対するオマージュが入ってて楽しいので是非聴いてみてください。

www.youtube.com

ではでは