アイスを愛す ついでにダメな自分も
こんにちは、トサカです。
先日、ブックカバーに隠されて「忘れていた本の存在」について書きました。
今日はこの「忘れていた本」について書こうと思います。
タイトルは「問題解決大全」。人文学からコンピュータ、はたまたモテる極意など、多種多様な世の中の事象に関して鬼のような量の知識を持つ「読書猿」というブロガーが世に放った本です。
「猿」という名前は「読書家、読書人を名乗る方々に遠く及ばない浅学の身」である自身の未熟さを嘆いてつけたそうですが、彼のブログを少し読むだけでも、このセリフがとんでもない謙遜だとわかります。彼が猿なら俺たちはいったい何なんだ。モモンガ?
どのページを読んでも、濃厚な知識とウィットに富んだ軽い文体があふれています。
こんなに面白い文章を書ける人が本気を出せば、そりゃあ面白い本ができあがるはずだ、という無根拠な自信を持って、ぼくはこの本を買いました。そして、この判断が間違っていなかったことをすぐに思い知ります。
この本は、自身の人生に立ちはだかる様々な問題にいかに立ち向かうかを、巨人の肩を借りながら論じていきます。
作者はこの本(と一つ前に出版したアイデア大全という本)によって、「再現性の無い自己啓発本を駆逐する」ことを目標としています。
多く出版されている自己啓発本の、問題解決を謳う主張の根拠のほとんどが、「筆者の経験」なのです。私は朝四時に起きることで人生がうまくいくようになった。ぼくは十代のころから起業したおかげで成功者になれた。でも、100人が同じことに取り組んで100人とも成功できるかと問われたら、首を横に振るでしょう。その主張は「筆者の意見」を中心に形成されたもので、客観性が保証されていないからです。
個人的には、論文と違って本は100人に読まれたら100通りの解釈があっても許される媒体だと思っています。だから、99人にとっては当てはまらないような主張でも、一人に刺さればいい。という態度で本を書くという「姿勢」そのものに関しては賛成です。中身はともかく。
でも、「読書猿」さんはこの姿勢に断固として反対し、「誰が取り組んでも役に立つ」問題解決方法を集めました。そうしてできたのがこの本です。
と、ここまで書いてきたのですが、実はなかなか読み進められていません。
この本では問題解決の方法、具体例だけでなく、「その問題解決法の学術的ルーツ」を紹介しています。というより、主にそのルーツを紹介するのがメインになっています。
その方法が紹介された本や論文はもちろん、その本や論文の著者の思想や歴史上の背景、その方法に関連した様々な文化の紹介がなされています。
心して挑まないと読破できませんが、一章を読むだけでも学問分野の入門編を読んだような達成感があります。
前回読んでいた分も合わせてようやく、本当にようやく半分くらい読めたので、今日は一番最近に読んで頭に残っているものについて話して締めようと思います。
やるべきことにとりかかれない、試験が近いのに勉強をする気になれない。そんなときが往々にしてあります。そんな先延ばしを今日で終わりにするために提唱された方法が「ぐずぐず主義克服シート」というものです。
やるべきことにとりかかりたいのに先延ばしにしてしまうのは、取り掛かり始めていないがためにそのことを「難しいと思い込んでしまう」という考え方があるからです。
それを克服するためには…。どうすればいいかはぜひ自分で買って確かめてみてください。
それよりもぼくがこの章で話したいと思ったのは、一番最後に書かれてある話です。少し引用します。
~(略)~
先延ばしがいかに悪い結果をもたらすかを述べ立てる脅迫めいた解説は、むしろ不安を高め、先延ばし克服を先延ばしさせて、悪循環を余計に悪化させる恐れもある。
そこで、先延ばしを克服するのではなく、人間の「仕様」として受け入れ、利用するアプローチを紹介しよう。~(略)~
これまでさんざん悪役扱いされてきた「先延ばし」を、不変のものである「仕様」として受け入れるという考えにしびれました。普段は部屋なんて片付けなかったのに、テスト期間になると比較的家が整えられた大学生時代を思い出します。(あくまで比較的です)
敢えて重要なタスクを自分の生活に組み込むことで、これまで手を付けてこなかった仕事を片付けるという方法は、これまで肝心なことを先延ばしにしてきたダメな自分がいるからこそ、説得力に満ちた方法であることがわかります。
結局、昨日も「日々の作業が終わったらこの本を読もう」と考えながら帰宅したのに、片付けに精を出し、筋トレを普段以上に頑張り、ご褒美のアイスを食べて寝るというコンボをかましてしまいました。結果的に普段色々できたのでオッケーということで。
ではでは。