後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

点す

こんにちは。

男には やらねばならぬ 時がある

トサカです。

 

パソコンと毎日にらめっこしながら、日銭を稼いでいます。

プログラマというと、座っている分体力を使わない職業だと考えていたのですが、実際に働いてみるとそんなことはありませんでした。頭の疲労がそのまま身体に影響を及ぼしているのを実感します。

また、ずっと同じ姿勢で作業していると、どうしても長時間身体の同じパーツに負担をかけることになってしまいます。ぼくは意識的に席を立って腰を回すことを習慣化しています。さらに、自身の癖で知らぬ間に左肩に力が入ってしまうことが多いので、作業に脂がのっている時ほど手を机から降ろし、リラックスするように心がけております。

 

ただ、どんなに身体のメンテナンスを丁寧にやっていても、「職業病」はやってきます。プログラマであるぼくの場合、その脅威はまず「目」に襲いかかってきました。

目の痙攣、かすみ、これが疲れ目というやつか…。若いのは気持ちだけ。身体は常に老いていき、ゆっくりとしかし着実に死へ向かっていきます。その第一歩を、「職業病という名の「死への一歩」を踏み出してしまった。さぁ大変だ。

 

早めの処置が一番ということで、さっそく帰り道にある個人経営の薬局に行って、目に効く何かを買いたいと店員に話を聞きました。店番をしていた物静かな店員が、「一刻を争うならこれがベストです」と目薬をおすすめし、その効能を丁寧に教えてくれました。

言葉の節々から感じる「はよこれを買え」という彼のオーラに気圧されたぼくはしぶしぶその目薬を買い、店を後にしました。

 

恥ずかしくて誰にも言ったことがなかったのですが、目薬がすごく嫌いでした。

目の近くに「自分の身体ではない何か」があることに耐えられず、これまでなるべく目薬を点す機会を遠ざけていました。目が痒くなったら自然放置に頼る。どうしても点さなければならない時はこっそり父にやってもらう。自らの手で異物を目に近づけるなんて、とてもじゃないけどできませんでした。

 

そんな習慣を持っていたぼくなので、生まれてこの方目薬を自分で点したことはもちろん、買ったこともありませんでした。買ってきたはいいものの、しばらくは目薬とぼくのにらみ合いが続いていました。しかし、ここで逃げたら男が廃る。とうとうぼくは目薬を手に取りました。

目薬の口を目に近づけたとき、心なしか息が荒くなるのを感じました。少しでも手元が狂えば、この口が目と衝突してしまう-二回ほど点すのを諦め、このまま寝てしまったほうが治るのではないかと考えたときもありました。

しかし、勇気を振り絞ってついに点しました。五回ほどニアミスしてしまいましたが、やり切りました。ついにやったのです。大人の階段を登ることができました。生まれて初めて自身の手で点したのです。やったー!

 

はじめの頃は勘で点していたため、目薬をどう動かせばうまく入るのかがさっぱりわからないまま何滴も無駄にしていました。

しかし、継続は力となります。ここ二、三日で目薬に対するスキルがぐんと上がり、たとえ一回目でミスしても「目薬をこう動かせば次は上手く入る」ということがわかるようになってきました。反復練習が実を結ぶことを実感しました。

 

そろそろ目がしょぼしょぼしてきたので、今日はこの辺で締めようと思います。目薬点して、さっさと床に就きます。

ではでは。