後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

対立

こんにちは、トサカです。

今週一週間はわけあって遠いところに行っていました。徒歩で通えるはずだった会社が一気に遠くなったことや、「ち」から始まる棺桶にすし詰めにされたことなどありましたが、一番しんどかったのはいつもより一時間早く起き、いつもより一時間遅く寝なければならない生活でした。「普段通り」が崩れることがここまで厳しいものだとは。なんとか生き抜けて良かったです。

 

基本的にお昼はご飯とおかずをタッパーに入れて持っていきます。幸い「遠いところ」には電子レンジも冷蔵庫もあったので、鶏肉で作ったおかずも安心して持っていけました。

ただ、毎日作るのはしんどいので週に一~二回外でご飯を食べます。今週は偶然にも先輩に美味しいお店を紹介してもらいました。そのとき連れていってもらえたスパゲティ屋さんは本当においしかったのですが、今回はその話は置いといて、その道中での一場面について話そうと思います。

 

看板持ちのバイトをしている人を見かけました。

結構人通りが多い交差点で、なるべく人の流れを阻害しないように、しかし通った人がその広告を読んでくれるように、その人はポジション取りをしていました。

赤っぽい長そでのウィンブレに身を包み、立ちっぱなしで持ち続ける。かなりタフな仕事だと思います。中学の頃にひたすら気をつけをさせられ続けるというかなりすれすれな授業をやった時の辛さを思い出します。

ただ…。

 

七月くらいに見たツイートにこんなものがありました。

その人が見たのもぼくと同じ手持ち看板を持っている人。人が倒れてしまうほどの暑さの中行われていた、看板を持つという仕事にその人は怒り、会社に苦情の電話を入れたそうです。その後立て看板を持つ人はいなくなり、「暑い仕事から解放させることができた」という風に締められていました。

ツイッターで言ってた」という話は、一昔前で言う「友達の兄ちゃんが言ってたらしい」話と同じ類のもので、簡単には信じられません。ただ、これが嘘であれどこの話を読む人から出てくる「感想」は実際にこの目で確かめられます。ここではどのような感想が多かったのか。

結構「スカッとする」話として語る人が多かったように思えます。ある一人の「勇気ある行動」が愚行をやめさせ、苦しむ人を救ってあげることができた。その見事な行動に心打たれる人が多かったという印象があります。実際このツイートを最初に見たときは、猛暑できつかったこともあり「よくやった」と思っていました。

でも、これって本当に「よかった」のか。いまとなってはよくわかりません。どこか知らない人から「苦情」の電話が入ったことで自分の仕事が「無くなってしまった」という状況は、そのバイトで日銭を稼いでいる人にとって大打撃であると思います。

暑い気候の中ずっと人を立たせるなんてひどいという主張と、その仕事がなくなったら生活が一気に危うくなるので、その仕事をやり続けなければならないという主張。どちらとも言っていることはよくわかるからこそ、どうしようもない溝をそこに感じてしまいます。

 

看板を持つ人を見るともやもやしてしまう、これからしばらくはそんな日が続くのでしょう。

 

ではでは。