後藤を持ちながら

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吹奏楽から仮面ライダーまで

帰省2 帰ってきたことを実感できる味

こんにちは、トサカです。

 

宮崎に帰っています。関西と比べて高いビルがそこまで多くないので、空が近いという状態です。人の歩くスピードも心なしかがします。こういうことを書くと「田舎はやはりいい」と考えているように思わてしまいそうですが、決してそんなことはありません。新幹線は通っていないし、びっくりするほど蒸し暑い。塗装の古くなった箇所が多くあり、全体的にくすんで見えます。宮崎は居住に関して決してお勧めはできないのですが、それでも心地よいところが多く、「地元」としては大好きな場所であるというのが、今回の帰省での感想です。

 

宮崎に帰った時にすることの一つに、「ラーメン店に行くこと」があります。

麺屋勝水(めんやかつみ)というラーメン屋さんです。好きな場所、というよりは「帰ってきたことを実感させられる」場所です。

豚骨をベースとしたスープなのですが、あっさりとした中にコクがあり、スルスルと味わうことができます。トッピングは瑞々しいもやし、たっぷりのネギ、そしてよく炙られたチャーシューです。縮れた柔らかめの麺が絶妙にこれらと絡みます。癖がないのにこってりとしたラーメンで、軽く一杯食べられてしまいます。

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ぼくが高校生だった頃、金曜日は毎週塾に行っていました。部活や自主学習が終わったあと、家に帰らずにそのまま塾に向かったため、塾に行きだした頃はご飯を食べられませんでした。休み時間の途中でおにぎりを食べたり、家まで我慢していた時もありましたが、結局塾の前にご飯を食べるようになりました。

初めてここを訪れた時、ぼくがそのラーメン屋に惹かれたのはなによりもそのコスパの良さです。このラーメン店には「学生セット」というものがあり、500円でラーメン+ご飯を食べることができました。どうやら今もやっているようなので、学生の方は食べてみてください。

ぼくは、毎週この学生セットを食べていくうちに、金曜日の18:30が楽しみになってきました。塾が休みの日も、ここのラーメンだけ食べて帰る日もありました。大将の方とはカウンターを挟んで世間話をする程度には仲良くなれました。

 

高校の同期の子たちと「街」(宮崎に「街」は一つしかありません。宮崎駅前の賑わっているところだけなので、「街にいる」といえばだいたいどのあたりにいるかの想像がつきます。)に行った時、このラーメン屋で昼ごはんを食べるよう提案したことがあります。一年ほど通い続けていることを話してからお勧めをしたところ、みんな大いに気に入ってくれました。

昨日も麺屋勝水に行った時に、大将が嬉しそうに「(トサカが)連れてきてくれた同級生がいまでも宮崎に帰った時にこのラーメン屋に来てくれるんよ~」と話してくれて、ぼくもすごく嬉しかったです。これまで人に勧めたものの中で一番成功したように思えます。

 

高校の二年間、ずっとぼくはこのラーメンを食べ続けてきました。

この味は、美味しいかどうかの基準で語られる「味覚レベル」での認識を乗り越え、ぼくの体に「細胞レベル」で刷り込まれています。宮崎にいることを最も強く認識する瞬間、それを我が家以外で最も強く感じるのは、この二年通うことで魂に染み付いたこのラーメンを味わう瞬間かもしれません。もしみなさんも宮崎の「街」に行くことがあれば、是非一度行ってみてください。

 

ではでは。