後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

伝えることと考えること

こんにちは、トサカです。

 

今日は、おすすめの本を紹介します。こちら。

 

https://www.amazon.co.jp/伝わる・揺さぶる-文章を書く-PHP新書-山田-ズーニー/dp/4569617360

 

山田ズーニーさんの「伝わる・揺さぶる!文章を書く」です。

人生に迷いが発した時、自分はこの本を手に取ります。

それくらい大事な本です。

 

自分は、今迷いがある人に是非読んで欲しいと思っています。

その理由は、この本が「一番主張したいこと」と大きく関係してきます。

きょうは、この本の肝を本の構造から浮き上がらせていきたいと思います。

 

どんな本なのか?

 

まず、この本の概要を軽く紹介します。

 

名前から分かるように、この本は文章、特に相手の心を動かし、行為を促す「機能美の文章」の書き方を指南する本です。

 

この本の著者である山田ズーニーさんは元々ベネッセの社員で、高校生の小論文添削を行なっていました。

当時の高校生との交流が、この本を書く大きな原動力であることが本を読んでいくとわかります。これについては後ほど。

 

さて、この本の構造に話を移しましょう。

この本は第5章+プロローグ、エピローグとなっています。

 

まず、第1章でいい文章とは何かを定義しています。

この本での「いい文章」とは先程述べた「機能美の文章」を指します。

そんな文章を書くためには、大事にすべき七つの要件があると著者は主張します。それがこちら。

 

  1. 意見
  2. 望む結果
  3. 論点
  4. 読み手
  5. 自分の立場
  6. 論拠
  7. 根本思想

 

第2章でこれらに対する詳細な説明を行なった後、第3章以降では具体的な文章の書き方が挙げられています。

それでは、この本の肝は何かについて考えていきましょう。

話は、この本の文章構成が変だと思ったところから始まります。

 

文章の構成に感じた違和感

 

何回も読み直しているうちに、この本の変なところに気づきました。

それは、第2章の一番最初の項目、「意見」について書かれているところです。

 

この項目では、当然意見について書かれていなければいけないはずです。

でも実際は意見について書かれているのはほんの少しで、実際は「問いの立て方」の説明に多くのページを割いているのです。

さらに、この「問いの立て方」は後の「論点」の項目でも詳しく説明されています。

 

つまり、「意見」についてほとんど書かれていないのに、第2章の先頭にこの項目を持ってきてるのです。

どうせ重複が多いのなら、先に「論点」の項目を書いた方がよかったのでは…。

と一瞬思いかけましたが、この文章の肝を考えると、「意見」が最初の項目を飾る理由がわかります。

 

なぜ「意見」を最初に持ってきたか?

 

この本の肝、つまり筆者が伝えたいこととは、言いたいことの探し方、意見の見つけ方です。

こう考える根拠は、プロローグで語られるエピソードにあります。

 

筆者がベネッセで指導をしていた頃、自分の内面を顕在化できておらず、意見が生まれない高校生にたくさん会ってきたそうです。

自身が反映されておらず、とりあえず文字数を埋めただけの文章を書く彼らにショックを受けていました。

 

しかし、彼らは意見を持っていないわけではありませんでした。

ただ、意見を出す方法を知らなかっただけなのです。

事実、その方法を教えただけで、まるで別人になったかのように生き生きとした文章をかけるようになったそうです。

 

意見さえあれば文章は驚くほど変わる。

それを伝えるために、あえて強調できる第2章の先頭に「意見」の項目を置き、意見の重要性を説いているのです。

そして、あなたの文章をより生き生きとしたものにするために、この本では意見の見つけ方を教えてくれるのです。

 

この本に答えはない

 

たまに人生につまづくことがあります。

どうしようもなく悩み、進むべき道が塞がってしまい、何もかも嫌になってしまったときに、自分はこの本を読んでいます。

今の自分が一番言いたいこと、大事にしたいことは何か。

 

この本を読んでも、その答えは出てきません。

基本的には、独りで考えるしかないのです。

でも、この本は塞がってしまった自分の行く末を照らすライトにはなってくれます。

あなたにとってこの本が足元を照らしてくれる光となれば、この記事を書いた甲斐があります。

 

最後に、山田さんにとって「書くこととは何か」が、この本の一行目に書いてあります。

この一行は、この本がただの文章指南に収まらない理由であり、

この本のエッセンスが詰まった一行となっています。

ぜひ、ご自身で手に取って、その答えを確かめてください。

 

ではでは。

 

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