後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

恐れを抱くのは

~~ 恐怖の味噌汁 ~~

 

「ママ!今日の味噌汁には何が入ってる?」

「麩よ」

 

~~ 今日、麩の味噌汁 ~~

 

こんにちは、トサカです。

上に書かせていただきました「怪談」は、小さい頃よく父に聞かされていた話です。

ぼくがしょうもない話が好きなのは、おそらく父親に似たのでしょう。お吸い物に麩が入っていると、今でもこの怪談を思い出します。あーこわいこわい。

 

avoirgoto.hatenablog.com

 

父親の怪談はちっとも怖くなかったのですが、ホラー映画は心の底から怖がっていました。

忘れもしない小学二年生の頃、当時好きだったガンダムSEEDのビデオを借りに、近くのTSUTAYAまで父と一緒に行きました。すごくわくわくしていた…そんな自分を恐怖のどん底に落としたのが、「呪怨」のCMです。

ほんっとうに怖かった。こたつの中をなにげなく覗いた瞬間、白い手がうわぁっと伸びてくるシーンを見て「もうここ嫌や帰る~!」とごねたのを覚えています。泣きこそしなかったけれど、そのTSUTAYAには小学校を卒業するまで入れませんでした。

 

怖いという感情について、河合隼雄は「自身の人生観を揺り動かすもの」と表現しています。こたつから手は生えてこない、いきなり押し入れから何かが出てきて、引きずりこまれるわけがない。そんな常識が覆される瞬間に「恐怖」が生まれるのです。

そう考えるとホラー映画に限らず、恐怖って普段の生活にあふれていると思います。

車で何気なく走っていると、突然子供が目の前に飛び出してくる。

駅に来て何気なくポケットを探ると、いつものところに定期がない。

いつも通りの「日常」を乱される瞬間、恐怖がにじみ出てきます。

 

昨日、「あの虫」が出ました。あのすばしっこくてブラックなボディを持つ、あれです。昨日のブログを書いているすぐ横を「彼」が駆け抜けていき、22歳児は久々に情けない悲鳴をあげました。

なにか「彼」を誘導できるものはないか、手の届く範囲を探しましたが残念ながら見つかりませんでした。ぼくは瞬時に考えられるいくつかの対策を立て、手立てがなければ「自身の手を汚す」覚悟まで決めました。

今ここでとってしまう最悪のシナリオは「撤退」されること。日常を乱した原因である「彼」に恐怖を抱きながらも、ぼくの目はじっと彼をとらえていました。

 

すると、こちらの胆力に押されたか「彼」は窓の方に近づいていきました。好機!!

すぐさま閉まっていた窓を開けました。風が通り、開かれた世界の存在に気づいた「彼」はその羽根を開き、外界に向かって羽ばたいていきました。疲れたぼくはその後すぐ寝ました。

 

「彼」のフォルムは昆虫の帝王であるカブトムシによく似ています。それなのに株t虫と違い恐怖、忌避の対象になるのは、きっと「日常を脅かす」存在だからだと思います。

そこにいるはずのない「彼」がぬっと顔を出す。その瞬間の恐ろしさ、もう味わいたくないですね。部屋綺麗にしなきゃ。

 

ではでは。

 

44:25