「モブ」として歩む道
こんにちは、トサカです。
「物語」をみていく中で好きな場面の一つに、キャラクターたちの成長を感じるシーンは必ずあげられるでしょう。
今日はそんな場面について書いていくと思います。
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先日からずっと見続けているハートキャッチプリキュア!ですが、昨日の第36話、「学園祭当日」の話もまた面白かったです。
内容としてはいつもの人情ストーリーでした。
勇気がなくて立ち上がれない人を利用して生まれた怪人を、「四人のプリキュア」(この話のちょっと前に超絶強いプリキュアさんが復活し、四人構成になりました)が打ち倒し、機転で彼女たちを奮い立たせてハッピーエンドです。
ただ、今回はいつもよりぐっとくるポイントが多かったです。
今回の話のキモは、舞台が「学園祭」であることです。
ハートキャッチプリキュア!は主に学校を中心に話を展開しています。大なり小なり何かを抱えた子たちと主人公たちが出会い、その問題を解決、とまではいかないまでも前向きに解釈できるまでその問題と向き合います。
その子たちと会うのが「学校」という舞台なのです。文化祭をこのタイミングでやる、ということは、ぼくたち視聴者がそのかつて悩んでいた子たちと再び出会うことになるのです。
プリキュアのマンガを描くことが好きだけど、みんなに言えなかった男の子は、プリキュアのコスプレをした生徒に手伝ってもらいながら、自作マンガを売っていました。好きなものをはっきり好きと言ったおかげで、友達が増えたのでしょう。
他人が失敗した写真を撮って人の注目を集めたがっていた女の子は、通りすがりの子から「この景色綺麗だね」と言われるような写真を撮るほどの腕前になっていました。ちょっと得意げにその瞬間のシャッターを切る彼女の顔は、なかなか誇らしげだった気がします。
母親を早くに亡くし、平日は妹の面倒を見るのにかかりっきりだった女の子は、主人公たちとともにファッション部の一員として堂々とランウェイを歩いていました。彼女が一瞬で父と妹を見つけるシーンは、こちらの心にじんとくるものがありました。
当然プリキュアである主人公たちも大きな転換があったのですが、それと同じくらい周りの人たちの考え方、生き方も変わっている。そんなことを感じたお話でした。
ぼくは、「主人公」とは人と違った何か特別なものを持っている人のことだと思っています。特別な力、特別な生い立ち、特別な恋人、「特別さを持っていない」という特別さ。それは物語によって様々ですが、「持っている人」がスポットライトを浴びていることが多い印象です。
ぼくには特別なものがありません。
プリキュアにはなれないし、投げる球がめちゃくちゃ速い双子の弟もいない。蜘蛛にかまれて糸が出るようになったこともないし、宇宙規模で親子げんかしなきゃいけないような父親もいない。(ダースベイダーまじで父親なのかよ…。)
ぼくは持たざるものであります。はねのけたいほどの日々の鬱屈も、周りを圧倒するだけの力もありません。モブです。
でも、自身の人生を丁寧に磨いていくと、きちんと光ってくれる。
もちろんハリウッドのような派手さはないけれど、しみじみと面白い話の主役くらいならなれる。
そこかしこで「好転している人生」を垣間見ることができました。この「物語」を追い続けてきてよかったなと思える、そんな話だったように思えます。
最後に、この回の題名をあげてブログを締めましょう。
みんなが主役! 私たちのステージです!!
確かにあの瞬間、「みんな」が主役として頑張っていることがぼくには伝わりました。
負けてられないなぁ。大根だろうと主役くらいにはなってやる。
ではでは。