後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

スポットライトの外側

こんにちは、トサカです。

 

毎週月曜日、ぼくの一週間は「たなくじ」から始まります。

「たなくじ」とは、Eテレの「0655」という番組のコーナーの一つです。これは、爆笑問題田中裕二が持つおみくじを写真で撮って、一週間のお守りにするという企画です。アニメ版ポプテピピックの「スクショタイム」を思い浮かべていただくと、イメージが湧きやすいかもしれません。あんな感じです。

いままで「凶」と書かれたたなくじを見たことがないほどに内容はポジティブなものが多く、月曜の朝という気が滅入ってしまいそうな時間に恵みをもたらしてくれます。

 

やっぱり教育テレビが好きです。自分のテレビを観る時間を改めて振り返ってみると、特撮以外はだいたいEテレを観ていることに気づきます。

Eテレのいいところは、「スポットライトの当たりづらいところに光を当ててくれる」ところだと思います。あまりテレビでは相手にされない人たちに着目し、また着目されるような番組を作っています。

子供に向けた(そして大人も楽しめる)番組を朝からぶっ続けで流したり、美術に対する壁をキッチュなアニメで派手に壊したり、日曜夜というゴールデンタイムを二時間丸々オーケストラの演奏に使ったりすることからも、この姿勢が伝わります。

 

昨日、特撮界隈で盛り上がっていた「JAPANGLE 特撮回」を観ました。

www.nhk.or.jp

面白かった。すごく面白かったです。

どのようにしてゴジラが生まれたのかという「特撮の歴史」から、最新の技術にはどのようなものがあるのかという「特撮の今の姿」まで紹介されていました。

とにかく内容が濃密で、20分の間にスタッフが見せたいものをがっっつり詰め込んでいます。「いろいろやったのにまだ十分しか経っていないのか」という稀有な感想を抱けました。

 

ストレッチマンが、熱さに耐えながら爆破している採掘場を駆け抜けるシーンや、さまざまなミニチュア(ハンバーグや日本の家)ができるまでの過程など、見どころはたくさんあったのですが、個人的には現在やっている「ウルトラマンR/B(ルーブ)」の撮影を淡々と撮るシーンに惹かれました。

レポーターやナレーターを排し、ミニチュアの風景を作ることを生業とする人がひたすら自身の「普段の仕事」を紹介する、というコーナーです。

特撮で特殊効果をつけている仕事をしている方が、自身の仕事でどんなことをしているか、どんなことを考えながらセット内で火花を散らし、ビルを吹き飛ばさせているのかを語ります。

 

特撮において、あくまでもライトの当たる主役は「ヒーロー」や「怪人、怪獣」であり、街や山はあくまでも彼らを引き立たせるための「背景」です。

この放送では、主役を輝かせるために何回もリテイクし、最高のワンシーンを作る彼らにスポットライトを当て、「背景の美学」を浮かび上がらせていました。

舞台裏を想定しながらもう一度放送されていた回が観たい!と強く思わせる。そんな放送でした。

 

ではでは。