後藤を持ちながら

後藤を持ちながら

吹奏楽から仮面ライダーまで

マイロスト・マイロストシティー

こんにちは、トサカです。

 

カーステから流れるのはローランドカークだった 

言葉は生い茂りつつも意味を失っていく

密林を乗り越えた先に見えた白い煙

享楽と空白のワイルドサイドへようこそ

                 (cero マイ・ロスト・シティー

 

マイ・ロスト・シティー

マイ・ロスト・シティー

  • provided courtesy of iTunes

 

ceroの「マイ・ロスト・シティー」という曲にはまりました。

彼らとは某夏フェスの中継で運命的な出会いを果たしました。

avoirgoto.hatenablog.com

7月末の話ですが、いまだにその熱を冷ますことなく聴きまくっています。

その中でも好きなのがこの「マイ・ロスト・シティー」です。

 

五拍子のリズムに乗りながら、様々な楽器がその曲を形作っていきます。エキゾチックな雰囲気を醸す太鼓(たぶんコンガ)とシェイカーが曲の輪郭を時に明確に、時にぼんやりとさせます。そこにベースが、サックスが、スチールパンがメロディを乗せていくことで、曲に色を付けていきます。

冒頭に挙げた歌詞はこの曲の歌いだしです。ただ、初めて聴く人にとっては何と言っているかよく聞き取れないと思います。早口で平坦、音域も極端な低音と極端な高音で歌ったボーカルを重ねているため、それは歌よりもお経と例えたほうが適していると思います。

この「お経」のようなボーカルは、サビに入ると強烈なメロディをぶつけてきます。そこではマイロストシティと叫ぶだけなのですが、とにかくそこが聴いていて気持ちいい。このサビの直後にがらりと表情を変える楽器たちも聴いていて飽きません。ブラスセクションが鳴き出し、リズムセクションも目が覚めたようにその音を踏み鳴らします。

この曲の一番の盛り上がりは、なんといってもワルツ調の三拍子に変貌するところです。「ダンスを止めるな」という脅迫のような五拍子の歌が延々と続いた後に現れる、理性的な、それでいてどこか歯車の狂った音楽に、おもわず踊れもしないステップを刻んでしまいます。

 

「理性を脱がせてしまう」ような音楽が好きなのですが、この曲はまさに脱がせ上手な曲だと考えています。気がついたら自ら音楽に乗せられてしまっているのです。その太鼓のリズムが、ベースラインが、吠えるブラスが、そしてその声がぼくらの理性を一枚ずつ脱がしにかかります。「理性を無くしたくない方は絶対に聴かないでください。絶対に人前で踊りたくなってしまいます。」というような文句で売り出せますね。

 

というわけで、ceroを聴きましょう。たぶん十年後くらいにはがんにも効くようになってます。今から聴いておけばお得ですよ。

 

 ではでは。